協会だよりのページへ
第3回 国際茶道文化協会ツアー「韓国の茶陶を訪ねて」


日 程 : 2008年10月23日(木)〜26日(日)
訪問地 : 韓国 サムスン美術館、世界陶磁センター、

国立中央博物館など(通訳・ガイド付き)
交 通 : 飛行機・貸切マイクロバス
宿 泊 : ソウルプラザホテル
参加人数 : 5名


  初めての海外の研修ツアーは、日本の茶道と深い関係のある韓国ソウルとなりました。


1日目
  午前8時半に羽田を離陸、2時間のフライトでソウル金浦空港に着きました。
  午後はソウル中心の南山にあるサムスン美術館Leeumを館員のガイド付きで見学しました。ここは、半導体や電化製品で有名な大企業サムスンが経営する美術館で、2004年にオープンし、国宝36点を含む古美術から現代美術までの作品を集めています。
  建物はマリオ・ボッタ(スイス)や、ジャン・ヌーベル(仏)の設計による注目の建築物ですが、なんといっても素晴らしかったのは、古代の青磁から粉青沙器・白磁に移行していく過程が国宝級の実物で目にできたことでした。
(Leeum美術館サイト http://leeum.samsungfoundation.org/eng/main.asp)


2日目
  午前中、成碩鎮(ソン ソクジン)氏の窯を訪ねました。
  ソン氏は韓国ソウル大学・東京芸術大学大学院陶芸科を修了した新進気鋭の陶芸作家です。作業場には、粉青砂器や白磁の作品が数多く並べられていました。大作も多かったのですが、水指・茶碗などの茶道具もあり、いくつも見ているうちにお茶室の中での取り合わせを思わず知らずのうちに考えてしまうような気に入った素敵な作品もあり、参加者一同楽しい時を過ごしました。


  午後は、利川市にある世界陶磁器センターをソン氏と一緒に見学しました。
  利川市は陶磁器の原料となる土と燃料が簡単に手に入る立地条件に恵まれていたため、古くから現代まで、韓国の陶磁器作りの中心地です。このセンターは、陶磁文化・芸術/産業の振興を目的とする(財)世界陶磁器エキスポの事業の一つとして、2004年に建てられました。芸術的な陶磁の作品を紹介している美術館として、世界の主要作家の作品を常設展示しています。古来の青磁・白磁だけでなく、現代陶磁作家たちの作品が多く、茶の湯という観点からだけではない陶磁の魅力を堪能することができました。


  利川はまた、韓国農業の中心地でもあり、折しもセンターの戸外では収穫祭も開催されていて、数多くのテントには、農作物などの即売/展示などがあり、農業のお国柄の違いも、少ない時間でしたが、見ることができました。


  夕方、ソウルの中央大学校のお茶室を拝見する機会を得ました。
  中央大学校は、2008年8月に千玄室大宗匠が文学博士号を取得なされた大学です。
  校舎の最上階にあるお茶室は、立派な8畳の和室と水屋があり、ソウルでも裏千家茶道が根付いている様子を直に感じ取ることができました。


  夜、南大門市場を散策。数ある土産店の中に、現代の陶磁器を扱う店も多々あり、現代の名のある陶芸家による青磁器・白磁器などを購入することができます。昔からの伝統を継承した形・色・文様などの陶磁器を美術館で養ってきた目でしっかりと鑑賞、品定めをいたしました。


3日目
  午前中は、ソン氏の解説付で、ソウル竜山にある国立中央博物館を見学しました。
  約15万点を所蔵し、価値の高い文化財を考古館、歴史館、美術館1・2、アジア館、寄贈館の6分野に分けて展示しています。この建物は、2005年10月にオープン。近代的な建物で、日本語の説明もあり、展示方法はとてもわかりやすく工夫されていて、見ごたえがありました。


  ひとつひとつを丁寧にみていたら、とても一日で見きれる量ではありません。
  展示されていた「青磁透刻七宝文香爐」「青磁象嵌牡丹唐草文瓢形注子」「粉青沙器剥地牧丹唐草文壷」「白磁鉄画梅竹文壷」などはいつまで見ていても見あきない美しさ。陶磁器分野以外は少々足を速め、それでも京都広隆寺の弥勒菩薩によく似た国宝の「金銅弥勒菩薩半跏思惟像」の前では、しばし心落ち着かせながら、韓国文化を堪能いたしました。
  入場料は啓蒙期間中とかで無料でした。
(国立中央博物館サイト http://www.museum.go.kr/jap/index.jsp)

  午後は、フリータイムでしたので、世界文化遺産のひとつの昌徳宮などを各自見学しました。

4日目
  昼の便でソウルを発ち、ジェット気流のお陰で予定より早い時間に羽田に到着。一同無事にすべての日程を終了しました。

  韓国文化が日本の茶の湯とどう係わってきたかを、感じ取ることを目的とした今回の研修旅行は、たくさんの収穫を得ることができました。何より、精巧な作り・本物の独特の色・質感など、たくさんの青磁・白磁を見ることから浮かび上がってきた韓国陶磁器の価値。それは、今までの数少ない経験ではなかなかわからなかったお茶道具としての青磁・白磁への古人の賞賛/憧れを幾分なりとも感じることができたのではないか、と思っています。
  ありがとうございました。
(協会会員 嶋田君枝 記)

協会だよりのページへ