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茶の湯インターナショナル

−2009年歳末チャリティー例会・茶会−


  12月2日、東京都千代田区の帝国ホテルの茶室「東光庵」と桜の間にて、恒例の財団法人 国際茶道文化協会−茶の湯インターナショナル−の歳末チャリティ例会・茶会が開催されました。
  この会は、茶道を通じて各国の人たちと交わる国際交流の場であるとともに、会費収益の一部を寄付することを目的として毎年開催されているもので、毎回200人をこえるゲストが参加されます。

  東光庵には、席主の桂宗裕氏により鵬雲斎大宗匠筆「和」のお軸が掛けられ、福田康夫元内閣総理大臣夫人や、在京各国大使館館員とそのご家族をはじめ20カ国以上の国際色豊かなお客様をお迎えしました。

点心のあと、桜の間にて当協会理事である櫻井宗幸氏の御挨拶により例会が開会しました。
アトラクションとしては、古賀司郎氏の解説に続いて、福原百之助・望月秀幸・堅田喜三郎・福原百貴の各氏による鳴り物演奏があり、歌舞伎で使われる効果音なども披露され、出席者は楽しいひとときを過ごしました。


  また、恒例のチャリティー福引では各方面の協賛により、茶道関連品など多数が寄せられ、大いに盛り上がりました。
  この収益金は、後日、THE JAPAN TIMES読者基金へ寄附されました。







開催するにあたり
2006年5月、ハバロフスクでの茶道紹介をと、当時の総領事、長内様よりご依頼を受け、単身出かけ、連日充実した日々を過ごすことができました。特に、当時83歳の日本人男性に、『正客』として参加して戴いた時のことは、一生忘れられない想い出です。その方は、第二次世界大戦中、捕われの身となり、極寒の地で大変なご苦労をなさいました。その後、幸いなことに、現地の人に助けられ、日本に戻ることができました。その恩返しをと、再び現地に戻り、約二十年、中学校で日本語を教えてこられ、『正客』に憧れをずっと抱いておられたのです。また、師が帰国したため残され、チャンスを待っていた大学の茶道同好会の学生さん達、日本での茶道体験の感動をもう一度と願う現地の方々、全員、着物でミニ茶会に参加して戴きました。心底、日本文化を愛している方々の集まり故、心が一つになり、一人一人の目が光り輝いているのを見て感動した私でした。正客のお礼にと、ロシア正教の美しい香入れ頂戴いたしました。
早速、翌日、長内夫人にご同行願い、日本兵の方々の眠る墓地を訪れました。そこは、墓地の隅の一角で、陽の当らない寒々としたところで、思わず寂しい気持ちになりました。そこで抹茶をお供えし、お参りさせていただきました。「こんな事をして下さったの、はじめてよ。」と、夫人は大変喜んでくださいましたが、私は何とも複雑な心境で、土に流した緑色の液体が、じわじわとしみていく様子をただただ、何も言わずみているだけでした。そして、今回、初めての席主を務めさせていただくにあたり、あの極寒のハバロフスクで、世界平和を願って今なお日本語教師を続けておられるSさん、そして無念の死を遂げた多くの方々のことを胸に、戴いた香入を飾ることにいたしました。世界平和の架け橋となることを願いつつ…。
(席主 桂 宗裕 記)



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